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トンネル効果

高さ V₀ の壁に、エネルギー E のガウス波束 — 量子力学が描く粒子の姿 — が衝突します。古典力学なら V₀ > E で 100% 跳ね返るはず。ところが量子力学では、壁の中を「染み込んで」反対側へ抜ける成分が現れます。衝突のあいだ、透過率 T がリアルタイムで積み上がっていくのを見てください。裏側では時間依存シュレディンガー方程式をスプリットステップ・フーリエ法で数値的に解いています(1,024 格子点。各ステップで確率の合計が厳密に 100% に保たれる、ユニタリな計算です)。

iψt=22m2ψx2+V(x)ψTe2κL,κ=2m(V0E)i\hbar\,\frac{\partial \psi}{\partial t} = -\frac{\hbar^2}{2m}\,\frac{\partial^2 \psi}{\partial x^2} + V(x)\,\psi \qquad T \approx e^{-2\kappa L}, \quad \kappa = \frac{\sqrt{2m(V_0 - E)}}{\hbar}

壁を E より高くしても T が 0 にならないのがトンネル効果

透過 T0.00%反射 R0.00%

トンネル効果は実在の現象です — 太陽の核融合(陽子どうしが電気的な反発の壁 = クーロン障壁を抜ける)、フラッシュメモリの書き込み、走査型トンネル顕微鏡(STM)、α崩壊は、すべてこれで動いています。透過率は壁の厚さに対して指数関数的に落ちる(Te2κLT \approx e^{-2\kappa L}、κ は V0E\sqrt{V_0 - E} に比例)ので、壁をほんの少し厚くするだけで劇的に通れなくなります。