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T双対性 — 小さすぎる円は、大きい円と見分けがつかない

余分な次元を半径 R の円に丸めます。点粒子ならできることは1つ、円周方向に量子化された運動量 n を持つだけ。ところが閉じた弦は、円に w 回巻きつくこともできます。運動量モードの重さは n/R なので円を縮めると重くなり、巻きつきモードの重さは wR/α′ なので円を縮めると軽くなる。この2つの役割を入れ替えると、スペクトルは1ミリも変わりません。つまり半径 R の円と半径 α′/R の円は、物理として同じものです。

M2=n2R2+w2R2α2+2α(N+N~2),NN~=nwM2(n,w,R)=M2(w,n,α/R)M^{2}=\frac{n^{2}}{R^{2}}+\frac{w^{2}R^{2}}{\alpha'^{2}}+\frac{2}{\alpha'}\bigl(N+\tilde N-2\bigr),\quad N-\tilde N=nw\qquad\Longrightarrow\qquad M^{2}(n,w,R)=M^{2}(w,n,\alpha'/R)

R を動かすとグラフが左右対称に動く。「双対を重ねる」で α′/R のスペクトルを重ねると、破線が完全に元の曲線に沈む

検証

半径

モードの重さ

対称性が増える状態 (1,1)

双対性の残差

T双対性は近似ではなく厳密な等式です。スペクトル全体(|n|,|w| ≤ 3、N+Ñ ≤ 3 の全準位マッチ状態)を R と α′/R で計算して並べ替えると、R² と 1/R² を足すときの丸め(≲1e-13)以下で一致します。帰結が2つ。ひとつは「最小長さ」— R を 0 に近づけても、それは大きい円を別の言葉で書いただけなので、弦は √α′ より短い距離を分解できません。もうひとつは自己双対点 R = √α′ で (n,w) = (±1,±1) の4状態がちょうど質量ゼロになること(M² = 1/R² + R² − 2 → 0)。ゲージ場が左右それぞれ2本ずつ増えるので、対称性は U(1)_L × U(1)_R から SU(2)_L × SU(2)_R へ増大します。下のグラフでその曲線が M² = 0 に触れるのが見えます。ただしこれはボゾン弦・ヘテロ弦の話で、II 型超弦の自己双対点にゲージ対称性の増大はありません。なお R = √α′ では (±2,0)・(0,±2) のタキオン塔もちょうど質量ゼロを通過するので、質量ゼロ状態はこの4つだけではありません。基底状態が M² = −4/α′ のタキオンなのはボゾン弦だから(超弦では消えます)。グラフに描いてあるのはその基底状態だけで、運動量・巻きつきの曲線は質量ゼロ準位(N = Ñ = 1)の上に立てた塔なので、N = Ñ = 0 のタキオン的な相方は描かれていません。T双対性はディラトンにも効く(g_s → g_s√α′/R)ことも申し添えます。