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ポリプロピレンの重合

プロピレン(CH₂=CH–CH₃)の C=C 二重結合が開いて、次々と鎖につながっていく付加重合です。骨格は –CH₂–CH(CH₃)– の繰り返しになり、横に出るメチル基(CH₃)の並び方=「タクチシティ(立体規則性)」が材料の性質を決めます。すべて同じ側に並べば結晶化しやすく、丈夫な実用プラスチックに(アイソタクチック)。きっちり交互なら、こちらも結晶性(シンジオタクチック)。バラバラだと結晶になれず、柔らかいゴム状です(アタクチック)。この並びを自在に操るチーグラー・ナッタ触媒の発明には、ノーベル化学賞が贈られています。

nCH2=CH(CH3)     ⁣[CH2CH(CH3)]n ⁣n\,\mathrm{CH_2{=}CH(CH_3)} \;\longrightarrow\; {-}\!\left[\,\mathrm{CH_2{-}CH(CH_3)}\,\right]_{n}\!{-}

タクチシティを選ぶと、メチル基の並び方が変わる — 同じ分子式なのに別物になる

繰り返し単位n = 0

まったく同じ組成(プロピレンだけ)から、メチル基の並びだけで硬いプラスチックにも柔らかいゴムにもなる — これが高分子の面白さです。アイソタクチックPPは規則正しい並びのおかげで結晶化し、融点は約 160 ℃。密度は 0.90 g/cm³ と水より軽く、容器・繊維・自動車部品に大量に使われています。付加重合なので副生成物が出ず、原子はすべて鎖に取り込まれます(アトムエコノミー100%)。