Lab 06 — Molecular Dynamics
分子の熱振動と三態
70 個の粒子が、レナード=ジョーンズ(LJ)相互作用と弱い重力の下で動く 2D 分子動力学です。粒子どうしを結ぶのは「近づきすぎると強く反発し、ほどよい距離では引き合う」というシンプルな力だけ。この「原子」は特定の物質ではない汎用モデルですが、LJ モデルは歴史的にアルゴンなどの希ガスに合わせて作られてきたので、温度はアルゴンの値(ε/k_B = 119.8 K)でケルビンに換算して表示します。2D の玩具模型なので、K の数字はあくまで目安。冷やすと粒子は捕まり合って振動するだけの塊(固体)、温めると滑り合う液体、さらに温めると箱いっぱいの気体になります。水分子の絵は装飾で、実際の水の水素結合は入っていません。
温度で氷→水→水蒸気。境目に止めると二相が共存する
固液気
状態液体(水)
固体・液体・気体は別の物質ではなく、同じ粒子の「運動の激しさ」と「隣との縁の切れやすさ」の違い。境界温度(この模型では融解が T* ≈ 0.32、蒸発が ≈ 1.0)にスライダーを止めると、一部が固体・一部が液体のように二相が共存します。断熱モードにすると恒温槽が切れ、上からピストンで圧縮できます。熱の逃げ場がないので、圧縮した仕事はそのまま温度上昇に変わり、気体では T·V がほぼ一定に保たれます。γ = 2 になるのは、この 2D 単原子気体の自由度が f = 2 だから(実在の 3D 単原子気体は γ = 5/3)。ディーゼルエンジンが火花なしで燃料に点火できるのも、上昇気流が冷えて雲をつくるのも、同じ断熱の加熱・冷却です。